最近の若者たちは「3年以内に転職」という認識があるようです。実際に新卒生でも3年以内に離職することが増えてきているというデータもあります。

バブル期を過ごした上の世代の人たちは、今となっては都市伝説となってしまった終身雇用制度を信頼してきた人たちです。一度、その企業に入ってしまえば定年退職するまでは、滅多なことでは辞職することはないと信じられてきた世代です。

そんな人達からすれば、若者たちの「すぐに転職」という考え方はなかなか受け入れられないのでしょう。

若者たちが転職というと「堪え性がない」「忍耐力がつかない」「転職癖がつく」と揶揄してくることもあるそうです。

若者たちが転職に抵抗を感じなくなったのは、まだ理由があります。

それは、終身雇用制度を信じていた世代が、ことごとくリストラにあったのを見てきたからです。
たとえば、自分の父親、母親かもしれません。窓際族、左遷、自主退職、それらによって会社から半強制的に辞めさせられるような状況に追い込まれていったのを見てきたのです。

そして、メディアでの大体的な報道。
リストラが社会現象になった時期もありました。
テレビでは不景気という文字が並んでいたのです。

それらを見てきた若者に、終身雇用制度はもはや都市伝説と同じ扱いになってしまったようです。

若者自身も、内定切り、お祈りメール、またはステルスお祈りメールなど、企業からの裏切り行為にあっています。そんな彼らが、企業のことを信じて、辛いことがあっても最後まで働き続けようと思えるでしょうか。

特に若者たちが転職することに抵抗がないのは、彼らに忍耐力がないから、とはいえないかもしれません。
企業も自分たちを裏切るのであれば、そこに骨を埋める覚悟は必要ないと思っているのかもしれません。

そして、転職を求める若者たちは、最終的には信用できる企業を求めていることには変わりありません。
もし、転職者を採用するのであれば、彼らの期待にも応えられる企業であり続けなければいけないような気がします。